人気ブログランキング |

密教1302 祈祷行脚 呪い返し

私がまだ寺に奉職している頃、寺は様々な相談をする所であり、地域の相談所の役目を果たしていたのであります。
日照りが続けば雨乞いの祈祷、病気になれば病気平癒と、様々な祈祷依頼がありました。
その中でも、私の記憶に深く残っているのが呪い返しである。

私の恩師である師僧は祈祷法の達人であり、様々な難題を解決に導き信頼を集めておりました。

その日は、檀家さんの娘が異様な病にかかって相談に来られました。
その病いは、全身に腫れ物が出来て高熱に苦しむというものである。

医師には当然診てもらいましたが、原因が分からず様子を見る事になったのである。
親としては、心配でいても経ってもいられず、寺に相談に来られたのです。
檀家の娘さんは、近所でも評判の美人。
優しくて気立ての良い人である。

決して人から怨みを受ける筈はなく、不思議としかその頃の私には解りません。
しかし師僧は一度で解ったようである。

檀家さんに一言尋ねられました。
呪いを掛けられているが、何か心当たりがありますか。

ご主人はびっくりした顔で、頭を横に振りました。
その時、奥様が言われました。

娘宛てに、差出人不明の手紙が何通も来ていたが、気味が悪いので中身も読まず捨てていました。

それだと、師僧が言われました。

檀家さんの奥様は慌てて家に戻り、郵便受けを開けて驚きました。
またあの手紙が来ていたのである。 
その手紙を持ち寺に帰って来られ、師僧に手紙を渡しました。
師僧は手紙の封を切り、中身を確かめうなずきました。
呪法である。
それも、日本の物ではない。

私も師僧からは教わっていたが、実物を見るのは初めてであった。
【内容は割愛する】
師僧は呪い返しの法に入られ、私も脇について祈祷が始まった。

檀家さん御夫妻も、神妙な面持ちで同席して御加持を受けられ、お帰りになられました。
その日の夜、寺に檀家さんから電話がありました。
娘さんが回復したと喜びの報告である。
私も安堵致しました。

師僧談。
呪いは掛けられた方は大変だが、掛けた方が大変である。
それは返しの法則。
善い氣は届き難いが、悪の氣は届き易い。
但し、悪の氣は回り回って発した者に帰るというのである。

確かに、行き場を失った氣は、何倍にも膨れ上がって帰ってゆきます。
これを知らない者は安易に呪いと言いますが、真実を知った時震え上がり、その後は大変な出来事に苦しむ事になるのである。
因果は回る、回り灯籠

南無大日大聖不動明王尊
金剛合掌
金剛山赤不動明王院 院主 永作優三輝

人を呪わば穴二つと申します。
吐いたつばは自分に落ちてくるとも言いますね。

呪いとは、完全に自分を安全地帯に置いておき、憎むべき相手を消滅させられるような都合の良いものでないという事です。
何故その事がわからないのか?と知れば知るほど不思議に思えてなりません。

私によく分かる事は、明るい想念は持ち続けることが難しいが、悪想念は持続しやすいという事です。
「許すまじ××め。結婚しようと言ったのに。奥さんと別れるって言ったのに。裏切ったわね。嘘つき。不幸になればいい。いっそ×××(自主規制)したらいいのに」
といった念は、自分が報われていない、不幸であればあるほど継続しやすい状況にあります。

反対に、不幸のどん底にある時に、「きっと自分は幸せになる。近々いい仕事について給料も安定する。素敵な彼が見つかって、幸せな結婚が出来る」等のイメージは継続して持ちにくいのではないでしょうか。
※例えばの話です。

しかし相手の不幸を願う思いは強烈であり、強烈さ故に何倍にも膨れ上がって、相手ではなく自分に戻ってくるとしたら?
自分の想いで自分が潰されることに他なりません。
あまりに割が合わないのではないでしょうか。

無理に他人をほめたり祝福したりできない時は、せめて他人を妬むことに意識を集中させない事が大事だと思います。


今日もありがとうございます

慈優







トラックバックURL : https://masumiinari.exblog.jp/tb/27882573
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
※このブログはトラックバック承認制を適用しています。 ブログの持ち主が承認するまでトラックバックは表示されません。
by masumi-inari | 2019-12-01 06:00 | ◎赤不動明王院便り | Trackback

金剛山赤不動明王院分院稲荷社


by 慈優
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31